僕らの仕える自由の国アメリカへ

◆過去の記事はこちら→ブログ・オブ・ウォー アーカイブ

最後にご紹介するのは、リー・ケリー中尉がイラクのアンバル州中心部で書き続けているブログ「Wordsmith at War」です。戦う兵士たちは確かに変わってしまうが、それでもアメリカは変わらぬアメリカでいてほしいと、ケリーは「僕らの仕える自由の国アメリカへ」というタイトルで記しました。

............................................................................................................
だけど頼むから変わらずにいてくれ。僕らは変わってしまったのだから。

その大陸から出るんじゃない。家を売ってはいけない。犬を手放してはいけない。

その醜さも美しさもそのままに、今のアメリカ人でいてくれ。まばゆい高層ビルも、洪水に飲み込まれた都市も、会社で出世の階段をのぼっていく奴も、生活保護の列に並ぶ奴も。みんなそのまま生きて、与えられた自由を楽しむんだ。僕らはくだらない観念論を振りかざす人間とは違う。君たちが望む場所で働くことができて、望む人に投票し、望む人とつき合うことができるのは、すべて僕らがイラクに送られたおかげだなんて、そんなこと言ってるんじゃない。だけど、いいかい? 君たちがそういう権利を獲得するまでになったのは、長い年月のあいだ多くの人々が努力してきたおかげだ。そして僕らがここで働いていることも、その努力の一環なんだよ。

だから僕らのことを忘れないでくれ。僕らは君たちのことを忘れられないのだから。

僕自身が歩くパラドックスなんだ。僕は仲間の兵士たちを信じているし、軍で働くことを誇りに思っている。カントリーミュージックも嫌いだ。だけどね、もし今、こういう場所で「ゴッド・ブレス・ザ・USA(※)」を聴いたら、あるいはあのトビー・キースの歌(※※)を聴いたら、僕は赤ん坊みたいに泣き出すだろう。そして鳥肌が立つほどの愛国心に駆られるに違いない。基礎訓練の卒業式のときもそうだった、軍隊生活に足を踏み入れ、軍隊の食事や酒や寝床を二ヶ月間経験して、さあこれからだというあの感動。

だけど僕は、自分の子供に同じことをやらせようとは思わない。僕で打ち止めにするかもしれない。僕自身これが終わったら、学校に入りなおして必死でライターの道を目指し、山羊ひげなんか生やしてリビングにどっしり腰かけて、今度アメリカが戦争に行くときには口先だけの革命家になっているかもしれない。ニュースで見かける兵士のためにブログを書き、彼らを支援し、VFWに入って政治情勢を論じ、子供たちに解説し子供たちを守る。そして、そう甘っちょろいものじゃないのに往々にして当然と思われている民主主義の幸せの中で、万人に与えられる自由と正義のもとで生きていくんだ。

そう、それが今の僕のプランだ。だけど何事もそうであるように、僕の計画もすぐ変わる。

また書きます。
お気遣いありがとう、アメリカの皆さん。

                                          (抜粋)

※ カントリー歌手リー・グリーンウッドが歌う愛国歌
※※同時多発テロ後にヒットした「怒れるアメリカ人」

ブログ・オブ・ウォー 僕たちのイラク・アフガニスタン戦争ブログ・オブ・ウォー 僕たちのイラク・アフガニスタン戦争
マシュー・カリアー・バーデン


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mediasoken-publish.net/cgi-bin/mt/mt-tb-hoge.cgi/101

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)