時には、引き金を引かないことのほうが難しい。

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CounterColumn」のジェイソン・ヴァン・スティーンウィック中尉は、「決断の分析」というタイトルで、リーダーが下さなくてはいけない選択――生かすか殺すか――について綴っています。ある日彼は、頭に赤いスカーフを巻き、銃床のないAK四七を肩にかけている男を見つけました。

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警察官や警備員であれば軍用武器を携帯できるが、この男にはそう特定できる要素がなかった。頭にスカーフを巻いている警察官も、僕はこれまで見たことがない。男は僕たちから遠ざかろうとしていた。背中をこちらに向けているから、差し当たり彼本人に警戒はいらない。

僕が咄嗟に思ったのは、ハンヴィーから飛びおりて「キフ!」(「止まれ!」)と叫び、男を捕まえることだった。だが通信手段のない車でそれはまずい。僕が飛びおりたら後ろの二台は停まるだろうが、残りの車はそのまま行ってしまうだろうから、装甲ハンヴィー一台に僕と救急隊員と牧師だけがとり残される。喧嘩を始めようというときに、それだけの戦力では心もとない。男の仲間がどこかに隠れていて、脇から撃たれるかもしれないという心配もあった。もしも男が「アリババ」――イラク人は反体制勢力をそう呼ぶ――だとすれば、単独行動はしないだろう。

次に頭に浮かんだのは、この場で彼を撃ち殺すということだった。群集のど真ん中で。駄目だ、それもまた愚かな考えというものだ。狙いが定まらない。左手で撃たなくてはいけないだろうし、今は揺れ動く車の中だ。しかも男は市場のすぐ脇にいる。周りには子供がいるし、発砲すればほかの全員が同じ方向へ向かってがんがん撃ち出すかもしれず、そうなればファルージャの二の舞だ。

結局、そのまま男を行かせることにした。僕たちは何の行動もとらなかった。
男に気づいてからその判断を下すまでの時間は、五秒もなかっただろう。

あとで僕は、後ろの席にいたNCOに話をした。「どうなんだろう……もしかしたらあの場で彼を射殺するべきだったのかもしれない」。その言葉をどこまで本気で考えていたのか、自分でもよくわからない。だがそのNCOは言った。「まさか。子供じゃないんですよ。そりゃどっかの馬鹿なガキのやることでしょう。そんなことをしたら大量虐殺が始まっていましたよ。全員一斉に同じ方角に発砲し始めたでしょうからね」

彼の言うとおりだ。
その後、その男はいつもその交差の警備に就いているイラク人だとわかった。彼はそれとわかるアームバンドをしていたが、コートで隠れて見えなかったのだ。
今回は不殺生を選んだことが正しい判断だったわけだ。
今回はね。
                                 (抜粋)

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マシュー・カリアー・バーデン


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