☆産経新聞6/25に書評が掲載されました!☆
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◆まずはこちらから↓↓↓
第1回:ミリタリー・ブログとは?
第2回:良くも悪くも、ここにあるのは「本音」だ
第3回:プロローグ
第一章 龍を討ちに行く者たち
第4回:戸惑いと不安、そして興奮
第5回:愛する人へ
第二章 戦地の生活
第6回:前線作戦基地(FOB)
第三章 癒しを与える者たち
第7回:戦闘救命員(CLS)
第8回:従軍牧師の役割
第四章 リーダーたる者
戦いに参加しているリーダーは皆、多くの決断を下さなくてはなりません。その時点ではちょっとした判断にすぎないと思えるものでも、最終的には生死を分けることになるばかりか、戦争全体の結果にも影響を及ぼす可能性があり、戦闘においてリーダーシップを執ることは、この世でもっとも過酷で、もっとも孤独な任務といえるでしょう。だけど同時に、もっともやりがいのある任務でもあるのです。
イラクでヘリボーン歩兵中隊の指揮を執り、イラク初の民主選挙に立ち会ったダニエル・ブート大尉のブログ「365 and a Wakeup」には、民主制度が誕生する瞬間の様子が描かれています。
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投票所が開くと、途切れることなくイラク市民が入ってきた。自動車爆弾を防ぐため車で来ることは禁止されていたので、みんな徒歩だ。野原を横切り、椰子の林を抜け、がらんとした道路を少人数ずつまとまってやってくる。みんな笑顔を浮かべ、僕たちが監視に立っているのに気づくとさらに明るい笑顔になってこちらに手を振る。のんびり歩いてくる彼らそれぞれのグループに共通するのは、同じ目的を持つということだけだ。伝統的なディシュカを身につけ、アラビアの昔話からそのまま抜け出してきたような人もいる。西洋の服を着こなし、アメリカのビジネス界に溶け込めそうな人もいる。はたまたジーンズにサンダル、派手なアメリカのTシャツという格好の人もいた。老人が息子たちと一緒に歩いている。母親は子供連れで来ていた。友達同士、肩で風切って、楽しげに喋っているグループもいる。
そんなふうに、切れ目なく続く人の波を眺めるうちに午前中が過ぎていった。投票所に入っていった人たちは、やがて笑顔で出てきて、インクのついた親指を掲げて見せる。会場周辺一帯が、何キロも離れたところから一票を投じるためにやってきた人々で沸き返っていた。やがて太陽が頂点に達し、焼けつくような日差しを浴び始めたころ、イラク兵のひとりが深刻な表情で駆け寄ってきた。彼は息もつかずに何かまくし立て、ついてくるようにと盛んに手ぶりをする。僕は何人か兵士を連れ、投票所から二、三百メートルほど離れたコンクリート塀まで一緒に行った。そこには不安げな様子のイラク兵たちが集まっていた。実を言えば僕はそこに行くまで、もっと氷が欲しいとか、何かその手の物質的な要求をされるものと思っていた。だから彼らの訴えを聞いて驚き、下衆の勘ぐりに近いことをした自分が恥ずかしくなった。彼らが僕を呼び出した理由は、投票所で係員のひとりが選挙民に圧力をかけようとしていると心配してのことだった。状況を説明する彼らの瞳は熱意に輝き、声は高ぶって震えていた。自由で公平な選挙を行いたいという意気に燃えるこの兵士たちを見たとき、僕は生まれたばかりの民主主義をイラクの人たちがどれほど必死に守ろうとしているか、初めて本当の意味で理解した。イラク警察官をひとり呼び、問題の係員と監督官を連れてきてもらった。ふたりが現れると、兵士らは一斉に声を上げて責め立てた。僕は少し黙っているように手で合図し、みんなが静かになると、中立の立場を保つことがどんなに重要であるかを監督官に説明した。係員はうつむき、明らかに自分を恥じているようだった。監督官はスタッフの行動にしっかり目を配ると約束した。そしてふたりは投票所に戻っていき、兵士たちは僕の即席の民主主義訓話で、熱の入りすぎた係員が当面おとなしくなり、公平な態度をとってくれると安心したらしかった。
(抜粋)
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