「良くも悪くも、ここにあるのは「本音」だ。そして著者が強調するように、ニュースでは伝えられない、だがニュースよりも速く伝わる、現場の生の声である。ブロガーたちには政治家の詭弁も評論家の視点も要らない。彼らはただ、実際に自分が目にしたものを、実際に身体で体験したものを語る。地べたに立つ彼らに見えるのは自分たちの周辺だけだ。そこには笑える日常もあり、そして重たい真実も混じっている。」
これは、訳者さんが書いてくださった「あとがき」の、最初のパラグラフ。
この本のメッセージは、まさにこのパラグラフに凝縮されています。
アメリカは正しいと信じ、イラクの人々をフセインの手から解放するのだと正義に燃えて出征するも、生々しい戦場を体感し、やがて「戦争は戦争でしかない」と悟り、大義を見失っていく兵士たち。「派兵が決まってから帰還するまで」にわたる、兵士たちの、そして家族や恋人たちの心情が、ここには赤裸々に綴られているのです。ブログという誰でも即時に発信できる媒体だからこそ、とてもリアルに。
収録されている63のエピソードは、出身も経歴も異なるミルブロガーたちの手によってばらばらに描かれたものです(複数回登場している場合もあり、計57人)。しかしながら目次をご覧いただければお分かりのとおり、出征→戦地の生活→帰還という流れでまとめられているせいか、この本はまるで一本の群像劇のよう。読み終わると兵士たちとともに歩んできたような、不思議な感覚に見舞われます。
<目次>
第一章 龍を討ちに行く者たち
第二章 戦地の生活
第三章 癒しを与える者たち
第四章 リーダーたる者
第五章 戦士たち
第六章 銃後を守る英雄たち
第七章 帰らぬ者
第八章 帰郷
次回はいよいよ、プロローグ。
編著者マシュー・カリアー・バーデンが、なぜBlackfiveを始めたのか。
それは、親しい友人の死がきっかけでした。
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